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2011/05/09
【R18】あなたが言ったのでしょう? 服を脱がせろと。
虎女体化。犯して喘がせたいだけ。 女体化にした意味あんまない気もするけど、夢で見たからこれは書けってお告げだと思った。 しかし夢のほうがえr(ry 精進します。
「あなたが二度と僕以外の男にそんなこと言わないよう、これからじっくり躯に教え込んであげますから覚悟してください」

「なぁにーっ、あたしの酒が飲めねえってのかああああ!?」
 ろれつのまわらない虎徹の叫びと同時に、どばばばばと威勢のいい音を立てて、バーナビーのグラスにビールが注がれた。勢い余って泡が溢れ持ち手を汚す。青年は思い切り眉をしかめた。が、当の本人は気にしていない。むしろ腹を立てていた。
「あーもうっ、なってないなぁ。こーゆーのはついでる途中から口ですするもんでしょー?」
 もったいない、とおしぼりで女は青年の手を拭く。
「アントニオ〜、ごめんおしぼり追加で持ってきてもらってー。バニーちゃんのズボンまで濡らしちゃったぁ。あはははは」
「わかった」
 注意してくれればよいものの、アントニオは虎徹に言われた通り店員を呼ぶ。
「ありがとぉ」
 新しくおしぼりをもらい、虎徹はごしごしとバーナビーの被服を拭く。助けてくれと青年は男を見るが、アントニオは諦めろとばかりに首を振った。
 親睦会と称し、新人のバーナビーを強引に誘い飲みにやってきたヒーロー(成人組)達だったが、キースは酔いつぶれて寝ているし、ネイサンは途中で急な仕事が入って帰ってしまった。もはや頼れるのはアントニオだけだが、今やその望みも絶たれた。
「まったく、世話のやける相棒なんだから」
 それはこっちの台詞だ。バーナビーは無遠慮におしぼりでズボンを拭きまくる虎徹からどう逃れようか考えていた。普通に席を立つだけでは、彼女の事だ、腰あたりにみっともなく掴みかかって、バーナビーが帰らないと言うまでずるずるとひっついてくるに決まっている。――というかちょっと。股間までごしごし拭かないで欲しい。
「よぉーし、これでばっちり」
 虎徹はそんなことはまったく気にしておらず、満足したのかにっこりと額の汗をぬぐうような動作をした。
「じゃ、かんぱ〜い」
 無理矢理グラスをかち合わせると、虎徹はぐびっとイッキにビールをあおる。
「はらぁ、バニーちゃんも」
 ぐいぐいと首をホールドし、虎徹の酒臭い息がバーナビーにかかる。彼女の豊満な胸まで押し付けられて、もういい加減堪忍袋の緒が切れる、そのときだった。
「うっ、ぎ、ぎぼぢわるっ」
 口元を抑えた虎徹を、バーナビーは電光石火で抱き上げた。飛ぶようにお手洗い――男子トイレに突っ込んだが、さいわい誰もいなかった――へ連れて行き、間一髪で間に合うことができた。
「う〜」
 背中をさすって、胃の中にあるものをすべて吐き出させると、虎徹はぐったりとバーナビーにもたれかかった。トイレットペーパーで口周りりをぬぐいきれいにすると、来たときと同じように虎徹を抱え上げる。
「アントニオ先輩。コレ、お願いします。僕はもう帰りますから」
 席へ戻ってきたバーナビーが虎徹を差し出すと、アントニオは手を振って断った。
「そう言うなって、相棒だろ。家まで持って行ってやってくれ。俺はキースのほう起こして帰るから」
「なら僕がキース先輩を、」
「これ、虎徹の住所な。じゃあよろしく」
「ちょ、困りますっ」
 住所をかかれたコースターを押し付けられ、アントニオはキースを起こしに離れた。体のいい厄介払いだ。アントニオはようやく長年の虎徹のおもりから解放された、すがすがしい笑顔を浮かべている。今後も一切彼は虎徹を介抱しないだろう。
 結局、バーナビーは虎徹を送り届けるはめになってしまった。


 タクシーを降りると、虎徹を再び抱え上げマンションの入り口のロックを外す。もちろん代金と鍵は虎徹の鞄から勝手に拝借した。
「ほら、先輩、お家つきましたよ」
「ん〜、あんとにお、いつもごめんねぇ」
「アントニオ先輩じゃありません、バーナビーです」
 間違われたことにいらっとしたが、バーナビーは玄関で虎徹を放り出すことはしなかった。部屋の中に入ってソファの前に立つと虎徹をそっと座らせる。だが、彼女は体を支えることができずごろりと横になってしまった。
「うにゃぁ〜」
「『うにゃあ』じゃありません。ちゃんと起きて、寝る支度をして、ベッドで寝てください。風邪を引かれては迷惑です」
「はーい」
 バーナビーに応答した言葉は、肯定の意味ではない。なんと、虎徹は万歳をした。つまるところ「脱がせ」である。
「なに考えてるんですか!?」
 これにはさすがのバーナビーもうろたえた。まさか、アントニオは毎回こんな目にあっているのではあるまいな。まったく女性とは思えない行動に、バーナビーは頭を抱えた。
 普段からスカートのくせにパンツが見えても気にしないし、化粧っ気もないし、とにかく女としての自覚が欠如している虎徹であるが、まさかここまでとは思っていなかった。
 バーナビーは台所の冷蔵庫を開けた。しかし水がなかったので、冷凍庫から氷を拝借し水道水を注いだコップに入れる。
 こうなったら虎徹が自力で着替えられるくらいまで回復させるしかない。
「酔いがある程度醒めるまではいますから、とりあえずこれ飲んでください」
 虎徹を抱え起こし、口元にコップを当てる。だか虎徹は飲むことを拒否した。
「やーだぁー。バニーちゃん脱がせてよお」
 酔っ払いのため力加減を誤ったのだろう。思いのほか強い力で振り払われて、バーナビーはコップを落としてしまった。
「ひゃッ」
 水の冷たさにびくりと虎徹の躯がはねる。女の胸元から太ももまで、見事にびしょびしょになってしまった。
「うぅ、ばにーちゃんひどぉい」
「酷いのはどっちですか!」
 いつにない剣幕に、虎徹は山吹色の瞳を見開いた。
「だ、だって」
 言い訳をしようにも、言葉が続かない。
 バーナビーは立ち上がると、虎徹を置いて部屋を出て行ってしまった。帰ってしまったのだろうか。冷水を被ったおかげでだいぶ意識のはっきりしてきた虎徹は、今ならまだ謝罪に間に合うかもしれないと立ち上がろうとした。だが躯が意識に追いつかず、ぐらりとかしぐ。
 すると、力強い腕が虎徹を支えた。バーナビーが戻ってきたのだ。虎徹を支える反対側の手にはタオルを抱えている。
「あ、ありがと」
 礼を言うが、バーナビーは答えない。
「わ、わっ」
 そのまま無言で抱きかかえられて、咄嗟に落ちないようバーナビーにすがりついた。青年は無表情で、なにを考えているのか読めない。とりあえず、進んでいるのはベッドのほうだ。
「わっぷ」
 案の定寝台に虎徹は寝かされた、というより落とされた。派手にスプリングが悲鳴をあげ、女の躯が浮く。それをバーナビーが押さえつけた。
「うっ」
 青年は馬乗りになると、女の腕を頭上で一括りにした。痛いほど手首を握られて、虎徹は表情を歪める。だがそれを見ても、バーナビーは一向に力を緩める様子は見せない。いや、むしろより強固にするために、女のネクタイをほどくとそれで手首を拘束した。
「ちょ、な、なにするの」
「あなたが言ったのでしょう? 服を脱がせろと」
 ここまできて、ようやく虎徹は事態を悟った。さっと血の気が引き、顔面蒼白になる。酔いなどきれいにぶっ飛んだ。
「ごめん、ごめんてばバニーちゃん、謝るから。もう二度と手は煩わせませんっ。そ、それにもう意識しっかりしたし、自分で着替えて眠れるから。ね?」
 お願い、離して。
 虎徹は心の底から懇願した。すると、今まで無表情だったバーナビーがにっこりとほほ笑む。するりと手が伸びてきて、ああ、よかった。やっと解いてくれると、虎徹は安堵した。のもつかの間だった。
 伸びた腕は手首にではなく頬に添えられた。笑顔だって、全然目は笑っていない。バーナビーの顔が、近づく。
「人の気も知らないで。あなたが悪いんですよ」
 泣きたいのはこっちなのに、そう言ったバーナビーの声のほうが、震えていた。
「バニーちゃっん――ッ」
 唇を塞がれて、言葉は相手の咥内へ消えた。食いつくようなキスに、舌を引き出されぐちぐちと甘噛みされる。
「は、ふぁ…っんぅ」
 今度は舌を差し入れられ、歯茎や上あごの薄い粘膜を嬲られた。ぞくそくとした感覚が顎から腰まで伝ってくる。
 能力を発動すれば逃げられる。だがそれは相手も同じだ。バーナビーがハンドレットパワーを使えば結局逆戻り、いや、むしろ悪化する気がした。
「ぅむ、ぁ…んん…ッ」
 バーナビーは味わい尽くすかのように虎徹の口腔をむさぼった。虎徹の感じた部分をしつこく舌先でねぶり、唾液がこぼれるのも構わず蹂躙する。
「…っふ、は、ぁ」
 十分堪能したのか、ようやく唇を解放されて、虎徹は大きく息を吸った。だが事態が好転したわけではない。キスの次は――
「やだっ、やめてッ」
 青年の手が虎徹のベストのボタンを次々と外していく。
「頼むからっバニーちゃ、バーナビー!!」
 虎徹が初めて名前を呼んだことで、バーナビーの手が止まった。好機とばかりに虎徹はまくしたてる。
「もうバニーちゃんなんて呼ばないからっ、迷惑かけないからっ、お願い助けて!」
 いつの間にかまなじりには涙が溜まっていた。叫んだことでそれは決壊し、耳まで伝う。
 バーナビーは虎徹の涙をぬぐった。うるんだ瞳で、顔を真っ赤にして叫んで、これではまったくの逆効果だと、本人はわかっていないのだから滑稽だ。
 濡れた指先をバーナビーは見せつけるように舐める。
「嫌ですね」
 否定と同時に、バーナビーは人差し指を虎徹の口に捻じ込んだ。
「うぐっ」
「少し黙っていてください。もちろん、噛んだらただじゃおきませんよ」
 眼鏡越しに見えるバーナビーの瞳は遠く、そして真剣だった。虎徹はごくりと唾を飲み込み喉を鳴らした。彼は本気だ。本気で、自分を犯そうとしている。
 バーナビーは器用に片手でワイシャツのボタンを外していく。ぷちぷちと鳴るボタンのプラスチック音がやけに大きく聞こえた。
「んぅ…」
 濡れた肌が夜気にさらされて、虎徹は肌をあわ立たせた。
 心臓が早鐘を打ち、荒い息は青年の指をかすめ、レースに包まれた胸が大きく上下している。バーナビーは虎徹の背に手を回すと、ブラジャーのホックをはずした。
「――ッ」
 多少なりとも覚悟していたとはいえ、虎徹は息を詰めた。背中からバーナビーの手が抜ける感触に躯が硬直する。虎徹はぎゅっと目をつむった。これ以上、自分が脱がされる光景は正視に絶えない。
 それでも緩んだワイヤーと肌の隙間に、青年の細長い指が入り込んだのが感触でわかる。ずるりと上に押し上げられて、乳房が露わになったのも。
 虎徹は再びほろほろと涙をこぼし始めた。それを、なにか柔らかい感触が拭う。
「んぅ?」
 バーナビーの指ではない。不思議に思って目を開けると、タオルだった。そういえば、さっき持ってきていた。
「っふ、」
 バーナビーは涙だけでなく、躯も拭いた。タオル越しではあるが胸を触られて、虎徹は四肢を強張らせた。バーナビーの手つきはけして卑猥なものではなく、風呂上りの子供を拭く母親のようである。それでも、やはり裸を見られ胸を触られたのは事実だ。虎徹はそうやって、性的でないバーナビーの触れ方に緊張している自身を納得させた。
 ああ、これで『さあこれでわかったでしょう。もう二度と男相手に脱がせなんて言わないことです。おどかしてすみませんでした』とでも言われれば、どんなにかよかっただろう。
 バーナビーは虎徹の口から指を抜き、ネクタイを外してベストとワイシャツ、そしてブラジャーを脱がせた。だが、再度ネクタイで手首を縛られてて、望みは絶たれる。
 わかっていた。バーナビーの目は本気だった。それでもわずかに見えた希望に一瞬でもすがってしまうほど、虎徹はここから逃げ出したかった。
 タイトスカートのジッパーを下げる音がして、虎徹は我に返る。もう、なにを言っても無駄だと、わかっているが、だからといって唯々諾々と受け入れる気持ちにはなれない。けれどもそうやって非難がましい視線を静かに送っても、バーナビーは意に介しはしない。
 腰を浮かされてスカートを脱がされた。次にショーツが。最後にガーターベルトとストッキング。
 これで、もう身に着けているものはなにもない。あったとしても、指輪や時計といった装飾品くらいだ。
 下半身も丁寧にタオルで拭かれ、虎徹は唇を噛んだ。まるで覚悟を決めさせるような、儀式めいた行いだった。虎徹だけでなく、バーナビーにとっても。
 それが不思議で、虎徹は口を開いた。
「最後に、一つだけ聞かせて。“どうして”」
 嘘や誤魔化しを一切見逃さないよう、視線を鋭くした虎徹に、バーナビーはまるで用意していたかのような感情のない答えを返した。
「理由なんてありません。僕みたいな若い男相手に『脱がせろ』なんて言って、こうなるのは自然な成り行きです」
 バーナビーは本当のことを言っていない。虎徹にはわかった。だが、それが彼の示した答えだ。
「後悔しても遅いですよ」
「――ひッ」
 青年の手がふくよかな乳房を鷲掴んだ。
「あなたが二度と僕以外の男にそんなこと言わないよう、これからじっくり躯に教え込んであげますから」
 覚悟してください。
 口角を上げ、口元だけ笑みの形にしてバーナビーは言った。虎徹の背に冷たいものが走る。嘘を言うとき、バーナビーはこうやって仮面を張りつかせる。だが、これは全部が全部嘘ではない。バーナビーの口に出さない暗い激情を感じて、虎徹は鳥肌が立った。
「濡れていたせいかしっとりして触り心地はいいですが、少し冷たくなっていますね。まあすぐに熱くなるでしょうから風邪を引く心配はありませよ」
「く…っ、ぅ…」
 手から溢れるほどのたわわな胸を揉みしだいてバーナビーが言った。自分の躯の一部ではないかのように乳房がいやらしく変形する。
「は…っん」
「ここも、だんだん立ってきましたね」
 胸の先端を摘ままれて、虎徹は息を飲んだ。敏感な部分を緩急をつけてこねくり回される。
「ん、っふぁ、あ…あ…っ」
 おかげで離されてもそこはつんと尖ったままで、真っ赤に腫れてしまった。もう片方も、青年はいじって同じようにする。
「ここ、そんなに気持ちいいんですか? 随分とやらしい声だしてましたけど」
 揶揄するように青年がくすりと笑う。
「ち、が…ひぅッ」
 否定の言葉を発しようとした瞬間、指先で乳頭を弾かれて虎徹は悲鳴を上げた。
「ほら、やっぱり気持ちいいんじゃないですか。それに、ここ、こんなになってますよ」
 ちょっと胸を触っただけなのに。
「やぁ…ッ」
 前触れもなく脚を開かされ、虎徹は悲痛な声を上げた。見えはしないが、靡肉が離れた間に粘液が溜まっていた感触を感じた。その事実に虎徹はうちひしがれる。
「あ、今動きましたよ。かわいいですね」
 まじまじと秘所を観察する青年に、女はかっと血がのぼった。
「バニー!」
「おや、もうその呼び方はしないんじゃなかったんでしたっけ」
 いやみったらしいほど余裕な態度。眼鏡を押し上げて、バーナビーは鼻で笑った。
「おばさんに欲情してる万年発情変態欲求不満野郎なんか、兎で十分だ」
「へえ、じゃあその変態に胸をいじられて濡らしてるあなたは、もっと変態で欲求不満ってことですね」
「ち、違ッ」
 上げ足をとるような言い方だが、うまく反論できない。その間にバーナビーが両脚の間に体を割り込ませたので、そっちのほうへ意識がいってしまった。
「あんまり抵抗するようなら、足も縛ります」
「っ、」
 ぎり、と虎徹は奥歯を噛みしめた。
(今度こいつがキスしてきたら、噛みついてやる)
「もちろん、他に反抗的な態度をとるようでしたら、しかるべき処置を行いますからそのつもりで」
 まるで思考を読まれたかのような台詞に、虎徹は唇を噛んだ。さいわい、それはバーナビーがすでに虎徹の顔から下半身へ視線を移動させた後だったので見られることはなかった。
「失礼します」
 かたちだけの断りをいれて、バーナビーが股間に顔をうずめる。
「ひぁッ」
 虎徹の躯がはねる。大胆にクリトリスを口に含まれたうえ、青年は器用に歯をあてて吸い、鋭敏な部分をむき出しにされてしまった。
「ぁんッ、やっ、だ、っめ…ぇ」
 ちろちろと舌先を当てられたかと思えば、痛いくらいに吸われ、歯で挟まれた。
「あっ、あっ、バニーィッ」
 初めから容赦のない責めに、虎徹の腰がびくびくと揺れる。強烈な快感を休む間もなく与えられて、脳がとろけそうだ。いじられるにつれ染みだした愛液が、唾液とまざって淫らな音を立てる。バーナビーはわざと聞こえるように音を大きくさせて、虎徹の秘裂をすすり芯芽をなぶった。
「や、ぁ…いちゃ…も、ッあ、アアッ」
 背を弓なりにしならせて、とうとう虎徹は達した。ひくひくと痙攣する肉襞と筒を、バーナビーの舌が愛おしそうに舐める。
「…うっ…うぅ」
 いっそ、まだ無理矢理性急に突っ込まれて、力任せに犯された方がよかった。こんな、こちらの性感を昂めていたぶるようなやりかた、我慢ならない。感じた自分をひどく嫌悪してしまう。
 とめどなく流れる涙を、バーナビーは今度は唇でぬぐった。
(やめてよ、それさっきあたしのお●んこ舐めてたじゃん)
 微かな雌の匂いを感じて、虎徹は表情を歪ませた。バーナビーが、自分がイッたことを突きつけるためにしたのだと疑わない。
 強固な態度を崩さない虎徹に、バーナビーは嘆息した。
「まだご自分の立場を理解してらっしゃらないようですね」
 青年は太ももを持ち上げ、大きく開脚させた。そして、ぬめる熱源に白く細い指を挿入する。
「ひぃンッ」
 一本ではない、最初から三本も入れられて虎徹は喘ぎとも悲鳴ともつかない声を上げた。だが虎徹の心とは裏腹に、そこは待っていたとばかりに青年の指を飲み込んでいく。
「おや、すんなり根元まで埋まってしまいましたよ」
 ほら、とバーナビーはぐちゃぐちゃとかき混ぜるように指を動かした。
「あっ、ああ…っあ、ぃや…ゃあッ」
「嫌じゃないでしょう。すごい締め付けてきますよ」
「ひぐ…ッぅ、んんっ、」
 熟れた胎内で指を広げられ、隙間から空気が入って粘液と混ざり、羞恥を煽る音を立てられた。ぐぽぐぽと明らかに膣を犯す空気の振動は、虎徹の耳まで犯し正常な思考を蹂躙する。
「はひっ、い…あ、ああ」
 秘芯を刺激されるのとは、また違った快感が腹の奥底から湧き上がる。甘くどろりとこごった生暖かいものが、腰周りをとろかすと、背筋を這い上がって脳幹を蕩かせる。
「やっぱりナカのほうがいいんですね。すごくいやらしい表情してますよ」
「んぁ、あっ、ち…が、ァ」
「なにが違うというんです。ほら、ここ。特にいいんでしょう? 触るたびに腰が揺れてますよ」
「ああッ、ぃアッ、あんッ」
 入口の浅い部分の上を、バーナビーの指が強く押した。だめだ、そこは虎徹自身も知っている弱い箇所だ。このままではまたいってしまう。
 首を横に振って、虎徹は激しく拒否の意を示した。
「っああ、だ…めぇ、そこッ、だめなの…ぉッ」
「だめと言われればやりたくなるのが男というものです」
「や、ほんと、だめ…っ、ダメだったらぁ」
 虎徹は涙を散らせて拒絶するが、バーナビーの手は緩まない。むしろいっそう激しく責めたてた。
「ぁひ、ひぃ…っ」
 女は絶頂の悲鳴をあげ、びゅくりと無味無臭の液体をほとばしらせる。ぐったりとベッドに沈んだ虎徹にあてつけるように、手をしとどに濡らす淫水をバーナビーはぴちゃぴちゃと舐めた。
「すごいですね、潮吹きっていうんですか? 僕初めて見ました」
「だま、れ…」
 羞恥に震える虎徹を、尊大な態度でバーナビーは見下ろす。
「黙れ? 誰に向かってそんなことを言ってるんです?」
「うぐっ」
 顎をきつく掴まれて女はあやうく舌を噛みそうになってしまった。
「もう少ししおらしい態度をとっていれば、まだ手を緩めて差し上げようと思ったんですけれど。これは本格的に調教しないといけませんね」
「んぐ、うぅ」
 噛みつくように口付けされて、虎徹は震えあがった。
 調教なんて、そんな恐ろしい単語を聞くとはよもや思ってもみなかった。間近に映るバーナビーの瞳は冷たく、優しさやぬくもりといった情緒はかけらもない。
 改めて虎徹は事の重大さに気づいた。
「キスをするときは目を閉じるのが礼儀というものです」
 虎徹の視界をバーナビーの手が覆う。
「よかったですね。もしもう一本ちょうどいいものがあれば、目を隠していたところですよ」
 耳元で囁かれて、虎徹はぞっとした。熱い吐息混じりの声は、愛を囁いてもおかしくはない声音だというのに、実際の言葉は脅迫まがいときた。
「あなたのネクタイでなく、僕のベルトで縛っておけばよかったですね」
 心底残念そうに呟くバーナビーの声が少し遠くなった。変わりにかちゃかちゃと金属音が聞こえる。虎徹は悟った。バーナビーが、ベルトを外しているのだ。
「や…やだ…たすけ、て、たすけてぇ」
 衝動的に虎徹は嗚咽交じりの悲鳴を上げた。とれるはずもないのに手首を縛るネクタイをぎちぎちと鳴らし、足をばたつかせる。
「往生際が悪いですよ。恨むなら、己の軽率な行動と言動を恨みなさい」
 バーナビーは顔から手を離すと、暴れる虎徹を抑え込む。そして、いっきに猛った雄をうずめた。
「〜〜〜ッッッ」
 声にならない悲鳴をあげて、虎徹は喉をしならせた。久しぶりのせいか、みちみちと肉が拓かれる感覚がして、なおさら犯されていることを実感させられる。
「っく…思ったより、きついです、ね」
「あ…あ……ぁあ…」
 山吹色の瞳を大きく開き、口からは断続的に喘ぎともつかない引き攣れた声をはく。強引に侵入してくる凶器に心まで嬲られる。
 痛い、肉体でなく心が痛い。
 どうして。
 真意も告げられぬまま、酷い犯され方をして、それでもバーナビーの隠された心が気になって、でも、無理矢理挿入されて、怖くて、本当にどうしたらいいか、わからない。
 ただ好色に手を出されたのであれば、能力を使ってでも逃げようとしたのに。
(どうしてそんなに泣きそうな顔、してんの)
 嗚呼、縛られた腕では抱きしめてあげることもできない。
「考え事をしてる余裕なんてあるんですか?」
「ッア、バニー……ッ」
 ぐちりと奥を突かれて、虎徹は現実に引き戻される。
「あ、ひぁッん…あ、ぅんっ」
 ナカで達したばかりで、いっそう敏感になっている粘膜を擦られて、虎徹は喘いだ。
「や、ぁ…ばにーちゃ…あ、ああっ」
 バーナビーは的確に虎徹の感じる部分を突く。自分でも、穿たれた雄芯を強く締め付けているのが分かった。堪えようもない愉悦が腰をとろけさせ、思考を痺れさせる。
「ひんっ、あ…奥そ、な…だめぇ…」
 子宮口をごりごりと亀頭の先で刺激され、嫌がっているのに誘っているかのような嬌声が喉を震わせる。
「すごいですよ、先輩。僕のを食い千切らんばかりに締めて。そんなにいいんですか」
「やっ、ァアッ、ちが…ぅんッ、も…抜い…てぇ」
「腰が自分で動いてるの、わかってます? こんなによがってて、説得力全然ないですよ」
「ひぐ…ッ」
 ナカをかき回すように大きく抉られて、淫らな熱に最後の理性もはじけ飛んだ。
「あ、だ…て、バニーちゃんがぁ、アアッ」
 出し入れされるたびに揺れる豊満な乳房を掴まれて、虎徹はなまめかしく喘いだ。
「いっああ、も…んっあ、あッ、ばにーちゃ、い、ちゃ…」
 だらだらとはしたなく唇から唾液をこぼしているが、もう気にしてなどいられなかった。限界が近いことを虎徹はひたすらに訴える。バーナビーは虎徹を翻弄するようにギリギリのところまでは昂めるが、あと一歩というところで引くのだ。
「も、がま…んっ、でき…なッア、くる…し」
「はしたないひとですね。犯されてるくせに感じて、喘いで、おねだりまでして」
 そうさせているのはバーナビーだというのに、棚に上げて青年は意地の悪い笑みを浮かべて虎徹を罵った。
「おね、が…あ、あッ、も、たす…け、」
 もうなにを言われようが、虎徹はどうでもよかった。この快楽の責め苦から逃れたい、その一心で意図的にバーナビーを締め付けた。
 すると、乱れた肉筒を突きこね回す欲棒が一段と大きくなってしまった。
「はひ…ッ!」
 焦点の合わなくなった瞳を見開き、虎徹は切ない悲鳴を漏らした。圧迫感に躯がばらばらにされそうだ。
「なかなかかわいいことをしてくれるじゃないですか。いいでしょう。お望み通りくれてあげますよ」
「ま、まって、だめ、なかはだめぇ…ッ」
 バーナビーは避妊具をつけていない。ここで射精されたら妊娠してしまうかもしれない。
「あなただけ気持ち良くなってどうするんですか。大丈夫です、いざとなったらあなたも僕の子供も、楓さんもまとめて面倒みますから」
「んんーっ」
 違う、そういう問題ではない。
 今イッたらバーナビーを締め上げて吐精させてしまう。虎徹は絶頂をこらえるため歯を食いしばった。
「無駄です。あなたのいいところはわかっていますから。ここを、」
「ッは、」
 ぎりぎりまで浅く抜いた楔を
「こういうふうに」
「ひぎッ」
 えづきそうなほど深部にねじりこまれ
「あと、ここもですよね」
「ああ――ッッ」
 最後に剥いた花芯も押しつぶされて、とうとう虎徹は達してしまった。
「くっ…」
 小さなうめき声とともに、バーナビーも濁った飛沫を虎徹の中に遠慮なくぶちまける。
「あ…ああ、」
 射精された熱いうねりを内部で感じて、虎徹は絶望し嗚咽を漏らした。
 限界だ。
 受け止めきれない現実から逃げるように、虎徹は意識を手放した。

つづく
NiconicoPHP