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2011/11/01
【R18】甥に殴られても 余裕かましてたら ケツ掘られた。
タイトル通りの内容。スパークで出したアルジラペーパー。手直ししようとおもったけどそれじゃあいつまでたってもあげないと思ったのでうp。誤字すら直してない。冬コミはちゃんと本でアルジラりたい。
[初出:2011/10/23 A5コピー 4p]
甥は会うたびにすさんでいる気がする。
久しぶりに再会したアルフレドに、ジランドールはすっと目を細めた。
昔は……義姉が正気だったころはまだ可愛げがあったが、十五を過ぎたころにはもう無理やり大人に育っていた。金で雇われればなんだってする傭兵稼業。それでもアルクノアにいるよりましだと、長い首輪の鎖を引きずりながら生きる甥に、憐憫とも苛立ちともとれない感情が湧く。
アルクノアの外にでても、こんな世界では一人でしか居られない、独りでしか生きられない。リーゼ・マクシアの人間と我々は相いれない。情を交わそうがいずれこの世界を壊しエレンピオスに帰る。必ず別れる。最初からそう決まっていて、どうしてあいつらと仲良くなんかできる? はずがない。
「仕事くれよ。ワリのいいやつ」
ジランドールは最近イル・ファンにいりびたりでジルニトラはおろかアルクノアの拠点すら、あまり顔を出していない。そのかわり、構成員とは綿密にやりとりしているので、こうしてたまたま王都にいるときに運悪く(?)甥に捕まってしまった。ラ・シュガルの情報部に雇われていたと思ったが、仕事をねだるからには契約は終了してしまったのだろう。
「急に来て金の無心か。意地汚ねえやつだ」
男の言葉に、青年はあからさまにむっとした表情を見せた。今回はまた、特に機嫌が悪そうだ。今までならこれくらいの言葉、薄っぺらい笑顔で適当に受け流していた。
「あいにく、ワリのいい仕事なんざねえ。こっちは今黒匣の開発で忙しいんだ」
こちらを毛嫌いしながら、弱ったときに縋ってくる。そんなんじゃいつまでたってもその首輪と鎖は外れれないぞ。ガキが。当人はもちろん、そうやって気にかけてやる己にも虫唾が走る。
「都合のいいときばっか頼って。とっとと帰れ」
吐き捨てるように言って、邪険に手を振ったときだった。突然の衝撃。床に打ち付けた痛みのあとから、頬の熱を感じた。アルフレドに殴られたと理解したのは、それからだ。
無言で立ち上がると、今度は腹を殴られた押し倒された。男は抵抗しない。さらに腹にもう一発。
ようやく、ここで相手は動きを止めた。ジランドールが反撃してこないと思い至ったのだろう。アルフレドは激しい憎悪の感情を浮かべた。
「気がすんだか」
憐れむわけでなく、嘲るわけでなく。ジランドールはただ静かに事実の確認の為に問う。すると、青年の憤怒の表情が一転、笑みに変わった。笑顔といっても、正の感情から形作られるものではない。ほの昏い深淵を覗き込むとき、きっと闇はこんな顔をして笑う――。
そう思ったときには、アルフレドの顔が眼前にあった。
「ッ!?」
ジランドールは驚愕に表情を歪める。声は出せなかった。口が塞がれていた。アルフレドの、その唇で。
「んぅ……!」
茫然として、開いた口の隙間に相手の舌先が滑り込んできた。ようやく男は我にかえる。
「ってえ……。マナーがなってねえな、叔父さん」
咥内に錆びの味が広がったときには、アルフレドが口を離していた。
「なに、を」
「なにを? なにも」
殴ればいいのか、怒鳴ればいいのか、逃げればいいのか。しかしジランドールは引き攣れた声で問うしかできなかった。青年は鳩尾に膝を乗せ、両手を床に縫い付けていた。圧迫される胸。息がかすむ。抵抗できない。
「ただ、こうでもすればあんたが怒るかなって、思っただけさ。はは、予想通りだったけど」
「あ、たり前、だ……っ」
可笑しそうに見下ろす甥に、叔父は理解できないものを見る目で睨みつけた。つまり、恐怖。
アルフレドはこちらを怒らせたかったのか? ただ、そのやり場のない激情を爆発させたかったのなら、確かに自分も応戦してやればよかったのかもしれない。だが、だからそれはただの甘やかしだ。独りで生きるというなら、その手はとれない。
しかしその振り払った手を掴まれ押し倒され拘束されてしまうとは、思ってもみなかったが。殴られるくらいならいいが、これは遠慮したい。全力で。
「離せ」
「やだね。せっかくあんたに嫌がらせできるんだ」
嫌がらせ! 確かにものすごい効果的だが、それで男にキスをするのか。最悪だ。
ジランドは嫌がらせと称され、本当に嫌な顔をした。その顔が、さも愉快とばかりにアフルレドは再びキスしようとしてくる。男は顔を背けるも無駄な動作だった。重ねられた唇を割り、舌でこじ開けようと生暖かい感触がべちょべちょと無遠慮に粘膜に響いた。
「んむぁ……っ」
キスだけではなく下半身まで握られて、男は悲鳴をあげる。それがアルフレドの咥内へ消える代わりに、舌が入ってきた。
「んーッ」
舌を噛めば絶対にイチモツを潰される。進退ここに極れり。
両腕をスカーフでくるまれて、上にあげられた腕の間に剣を刺された。反抗するには流血を覚悟しなければいけない。ここは犬に咬まれたと思ってやり過ごすか。ここで適当に流せば、反応が面白くないと、もうこんなことはしてこないだろう。
「――って、なにしてやがる!?」
ズボンを引きずり降ろされて、脚を抱え上げられたときジランドールは異変を察知した。いや、確かにそもそもこの事態は異常だ。だが、なぜ甥にけつの穴に指を突っ込まれようとしているのか。
「なにって、これからあんた犯すんだよ。どーせキス程度、犬に咬まれたくらいだし減らないしとか思ってんだろ。残念でした」
アルフレドはしてやったりと口角を釣り上げる。この瞬間、ジランドールは流血しようがどうしようが逃げる決意を固めた。が、させまいと脚を振り払おうとした直前、鳩尾に重い拳を一発叩き込まれる。
「が、は……ッ」
「大人しくしてりゃあ優しくしてやったのに」
あんたが悪いんだぜ、と全然こちらが悪くないというのに悪者にされてジランドールは憤った。ろくすっぽ慣らされていいないのに、アルフレドのペニスの先が後孔にあてがわれる。胃の腑に氷の塊を押し込められたように背筋が震えた。なんで。甥は同じ男で別にきれいでもなんでもない、しかも叔父におっ勃ててるんだ!?
「や、めっぎ、ぁが、ああッ」
酷いなんてものではない。激痛が身を裂いた。ジロンドールは容赦なく埋ずめられていく凶器に、背を反らせ瞳と口を大きく開く。
「っく、きっつ……、あ、でも裂けたからかな、ちょっと血で動きやすくなった」
「ぐっあ、あッは…ヤメ、っあ」
青年は相手への気遣いなど一切なく、勝手に自身のいいように腰をふる。男は今にも気絶しそうだった。目の前が明滅し、苦痛という苦痛にひたすら叫ぶしかない。
「っく…!」
アルフレドは小さく呻いて吐精した。ずるりと抜けた性器には血液と精子が混ざり、グロテスクな朱色になっている。腹に当てつけのために塗りたくられたそれを見て、ジランドールはあらん限りの怨嗟を込めて睨みつけた。
「はは、これで正気保ってられるんだ、へぇ」
アルフレドは、笑った。今までのような邪悪な笑みではない。晴れやかに、アルフレドは笑う。そして、まるで好意をつげるような、甘く優しい声音で囁いた。
「早く俺のとこまで堕ちてくればいいのに」
――無理矢理犯されたときよりも、ぞっとした。
絶句するジランドからスカーフと剣をとると、唐突に興味がなくなったように、アルフレドは扉へ向かう。
「またくるぜ、叔父さん」
男がほっとしたのもつかの間、不吉な言葉を残して青年は退出する。
ひとり残されたジランドールは、しばらく身動きすらできなかった。またくる。その言葉の意味がわからぬほど、自分は馬鹿ではない。吐き気がした。欲求のまま胃の中身をぶちまける。
汚物まみれになりながら男は大声で自嘲した。

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