ふと、目が覚めた。
閉め忘れたカーテンからは
空が白み物陰を蒼く浮かび上がらせている。
かすかな空調の駆動音。
時計の秒針の音。
すこやかな寝息。
嗚呼、彼が己の隣で眠っているという、事実。
規則正しく上下する胸。
安らかな寝顔。
愛しさも憎しみも寂しさも復讐も
いまだけは、何のしがらみもない。
世界中で、自分だけのもの。
『望みなき恋』
アッシュでもガイでもどっちでも。
起きているときお互いどんなに傷付け合っても
となりで眠ってくれるということが嬉しい。